Vol.3 | 多夢多夢舎(たむたむしゃ)中山工房
工房でアート活動を行う双子の兄弟/渡邊 直貴さん・渡邊 昌貴さん
多夢多夢舎 中山工房/沼崎 マイコさん
工房でアート活動を行う双子の兄弟/渡邊直貴さん・渡邊 昌貴さん
自由な感性と表現を活かすアートが、
国内外で人々のこころを動かす。
障害のある人が描いた原画をもとにした雑貨の販売を中心に、洋服のデザインサンプル「トワル」をキャンバス代わりにしたアート事業などを展開している「多夢多夢舎中山工房」。
木の温もりがあふれる工房内の一室で、カラフルなマーカーを握り替えながら、トワルに絵を描き込んでいたのは渡邊直貴さん・昌貴さんの双子の兄弟です。2人の作品は原画を調整せずに、そのまま商品に使用できるほどの完成度。お兄さんの直貴さんが絵を描いたトワルは、フランスのギャラリーからオファーが届き、現地で展示されたこともあるそうです。
トワル制作のワークショップで広がる交流。
完成までに、1日に1~2時間の作業で、10日間ほどかかるというトワル。直貴さんが描くラインは1本1本が「ホテル」を表現しており、「絵を描くことのすべてが楽しい」と話します。弟の昌貴さんが緻密に描く四角い形状は「ビル」で、「自分が描いたトワルやポーチが売れるとうれしいです」と話してくれました。
また、多夢多夢舎では2016年から参加者が自由にトワルに絵を描くことができるワークショップを行っており、昌貴さんは「参加したお客さんと話すのが好き」と話すなど、たくさんの人と交流する機会となっています。
絵を描くこと以外にも、ダンスが好きという2人。よく施設でも音楽に合わせて踊っているそうで、自由な感性を活かして、表現活動に励んでいます。
多夢多夢舎 中山工房/沼崎 マイコさん
この場所で生み出されるアート作品は、驚きの連続。
アート事業を中心に、障害のある人が生き生きと働ける場の運営や支援を行っている「多夢多夢舎中山工房」。同施設でデザインなどに携わる沼崎マイコさんは、「利用者が描いた原画をもとにした商品の製作や販売、施設の活動や商品を伝えるためのWEBデザインやSNS発信などを行っています」と話します。
多夢多夢舎が活動する上で「利用者の感性や自由な表現を大切にしている」と教えてくれた沼崎さんですが、「でも、自分が描いて欲しいイラストをお願いすることもよくありますね」と笑います。
利用者の作品には、いつも驚かされるそうで「一人ひとりの個性が出ますし、同じ人の作品でもまったく仕上がりが違うこともあるんですよ!」と話してくれました。
作品をきっかけに、
障害のある人への理解を深めてもらいたい。
以前はアパレル業界などで働いていた沼崎さんが、多夢多夢舎で働くようになったのは2012年頃のこと。「ここに勤務していた友人から『遊びにおいでよ』と誘われたんです。訪れてみると、みんながすごく歓迎してくれて。それが本当に嬉しく、また利用者の皆さんのデザインに感動したので、そのまま働くことにしました」。
その想いは、いまも沼崎さんの胸の中に残っています。「私も初めは障害のある人と接することが少し恐かったんです。でも、会ってみると、そんな心配は全然いらなくて。作品をきっかけに、施設に見学に来てくれる人もいるので、みんなに会って、理解を深めてもらえればうれしいですね」。
多夢多夢舎 中山工房の作品は、市内の百貨店やECサイトなどで購入が可能です。
ECサイト/https://tamtamdot.stores.jp/
特定非営利活動法人 多夢多夢舎 中山工房
- 住所/仙台市仙台市青葉区中山2-18-5
- 開所時間/8:45~17:30
- 利用者活動時間/10:00~16:00
- WEB/http://tamutamu.jp